株式会社サクセスボード 人の成長と人事の成長が、組織の成長を創る ~サクセスボードは人事支援企業です~

対談インタビュー 第1回

これからの人事に求められること

サクセスボード顧問の慶應義塾大学名誉教授・花田光世氏とサクセスボード代表の萱野による対談インタビューを様々な人事テーマでお伝えします。社員のキャリア開発に関して人事がどうあるべきか、本質的な課題に迫ります。

■対談インタビュー第1回(2014年実施)
テーマ1. これからの人事部門の課題
テーマ2. これからの個の視点に立った支援とは?

■対談インタビュー第2回は準備中です。

テーマ1. これからの人事部門の課題

萱野: これからの人事部門の課題について、花田先生のご意見をお聞かせいただけますか。
花田先生: 一人ひとりのキャリアについて言うと、職位や階層を上がっていくことがキャリアではなく、自分がどのように自分の役割を能動的主体的にそれぞれのステージごとに自分で作っていくかという、そういう論理に変わっていくので、やっぱり人事の仕組みもそれに対応するような、よりフラット化していった中で、個人が長く自分の仕事をしながら新しいことにもチャレンジできるような、そういう方向に行かざるを得ないという風に思いますね。 その時に人事部門としては、新しい仕組みの開発だから充実化させなくてはいけない。ところが人事が何をやったかというと、大幅な人事部門の人材削減と同時に各事業所の人事を削減して、本社集約型に変えていったんですね。人事のリストラですね。それをやることによって頭でっかちな人事、現場を知らない人事が多くなったんですね。
萱野: そうですね。現場を知らない人事が増えましたね。
花田先生: 人と人との寄り添い方がわからない人事パーソンが本社の中にいる、という状況になってしまいました。でもね、やっぱりその状況では無理ですよ。やっぱり人事として人と人とを繋げるとか、人の色々な問題、課題といったものを理解した上で対応するようなヒューマンサービスをしていかないと人事ではなくなってしまうと思っています。 では、何が今起こりつつあるかと言うと、一時期どっと減らした人事がこれから新しい人事制度を作る。それから人事的なサービスを拡大していくということで再編が起こってくる。その時に人事部の人数を急激に増やすかというと必ずしもそうはしない。 そうするとね、何が起こってくるかというと、多分メンターだとかコーチ、あるいはキャリアカウンセラーやキャリアアドバイザーと呼ばれるようなヒューマンサービス系の人達を、ある意味一つのグループにし始めて、人事部門が再編成を行っていくという動きが出てくると言うように思っています。 ですから今、厚生労働省がキャリアコンサルタントの人数を大幅に拡大しようとするアプローチをしてますでしょ。それはですね、人事パーソンのいわゆる一人ひとりの個に向き合う仕組みの設計と、サポートサービスの構築運営に追い風になります。

萱野: 人事部はその制度設計だけをして、実際の運用だとかというのは社外も含めた別の組織、キャリアコンサルタントがいるところをうまく使って、自社の社員にヒューマンサービスをしていくことになるのでしょうか。
花田先生: 初期の段階はね。でもですね、僕は近い将来人事部門が大きく変わると思います。それは何なのかと言うと、社外に一旦出したサービスと統合していく。必然だと思いますよ。そうしないときめ細かいサポートにならないので。また、それをやらないと、人事部門にノウハウが残らないから。
萱野: そうですね。いつまでも社外リソースには頼れないですよね。でも、今の人事部門にそれができるでしょうか。
花田先生: そういった意味で、今の人事部門は、経営的な視点から組織のことを考える人事ですね。会長室とか社長室とか経営企画室の人事グループなどになっていく。
萱野: なるほど。
花田先生: それらの人事部門とは別に、個の視点に立った支援の構築と実際の運用といったような部分の人事部門が必要となって、別途出来上がってくる。
萱野: 今ある経営企画的な人事と、個の視点に立った人事と、もしかして分かれてくる感じですか?
花田先生: 僕はね、そうだと思います。もちろん個の視点に立った人事も当然経営企画的な発想を持たなくちゃとは思います。でもどんどん人事の数を減らしていって、頭でっかちな人事という風に言ったけれども、その経営企画的な人事は人事としては残れない。人事じゃない。それは組織のことを考える人達であって、人(個人)のことを考えない。それはやっぱり経営を考えている。さっき言った経営企画や会長室社長室のスタッフとしては会社の一機能として残ると思うが、人事はやっぱりヒューマンサービスですよ。そういう新しい展開が僕は起こってくることを予測しています。大体それがですね、2020年前後にはその流れが結構出てくるかなっていう風に思っています。2020年までに女性管理職を3割にするとか、2025年には定年が完全65歳になるなどの動きが2020年ぐらいからは結構活発化していく。2018年にはいわゆる精神障害の方が障害者雇用率の中に入れるようにもなる。2018年から2020年の間っていうのは、人事的な課題って言うのがすごく多くなって、一人一人の個に寄り添う形でのいわゆる制度運用をはからないと回らなくなってくると思うんですね。 そうすると多分、組織の中におけるキャリアアドバイザー的な活動をしている人達が、2018年から2020年くらいにすごく増えてきて、そこが人事部門と情報共有を含めて色んな形で、活動共有までは行かないけれどもコミュニケーション、密にコンタクトをとるようになってくる。 「人事の仕事をする人はキャリアコンサルタントの資格を持っていないと実は出来ないよね」っていうぐらいの、そういったような個の視点に立ったサポートを行う仕組みに変わっていく可能性があると考えている。

テーマ2. これからの個の視点に立った支援とは?

萱野: 第二人事部じゃないですけども、そういうヒューマンサービスをやるような部署に、キャリアコンサルタント、キャリアアドバイザーみたいな人たちをどのくらい配置すればよいのか?大きな会社になればなるほどその人数は多くなりますよね。
花田先生: ですから特定の大きさ以上の会社に対しては、キャリアコンサルタントを何名置くべき、という国の指針が出てくるだろうし、特定の規模に至らない会社に対しては、内部にキャリアコンサルタントを置かなくても、外部のキャリアコンサルタントの仕組みを活用して、従業員に対してキャリア相談の機会を提供するのを月に何回か用意するとかね。そういった様な動きが出てくると思う。
萱野: 中小企業には助成金を出したりもするのでしょうか。
花田先生: 大企業の場合、キャリアコンサルタントというのは企業が雇った人がやるわけ。例えば1000人以上とかね。1000人以下の企業は、外部のキャリアコンサルタントを活用して、というようになるでしょう。 その時に、サクセスボードのような非常に強いキャリアコンサルティングサービスがあるならばそれを利用したいといって助成金を申請して、社員にサービス提供できる可能性は出てくると思います。
萱野: これまでのように大企業の社員だけがキャリア相談できるのではなく、もっと広がっていくんですね。
花田先生: ですからね、僕はね。キャリア権という言葉は、これから先重要なワードになっていくと思うんですよ。
萱野: キャリア権はかつて脚光を浴びたワードですね。
花田先生: これから出てくると思います。僕はそれに近い言葉を色々言おうとしてます。「エンプロイアビリティ」に変わる言葉。僕が大事だと思うことは、「キャリアセレクトタビリティ」なんだけどね。 「キャリアセレクタビリティ」というのは、「エンプロイアビリティ」と対すると、とても響きが良いんだよね。「キャリアセレクタビリティ」は、自分が自分のキャリアを自分で決定して選んでいく力だよね。「エンプロイアビリティ」は、エンプロイメント、雇われる、じゃないですか。キャリアの考え方とは違うんだよね。
萱野: そうですね。とても受け身な感じがしますよね。
花田先生: 「キャリアセレクタビリティ」は明らかに能動的。「キャリア権」とほぼ一緒。「キャリア権」と「キャリアセレクタビリティ」に近い言葉を捜している。
萱野: なるほど。
花田先生: そうするとね、やっぱりね、個の視点に立ったヒューマンサービスを展開する人事部は、「キャリア人事部」なんだよね。
萱野: では、これからの人事部は、キャリア自律を自分の会社でどういう風に展開していけばいいのかをきちんと考えていかないとだめだ、ということですよね。
花田先生: それは結構、人事の活動の中の非常に主要な領域を占めるようになってくると思う。人事の中でいけば、例えば教育もそうだし、福利厚生だってそうですよ。
萱野: そういった様な形ですね。
花田先生: それは結構、人事の活動の中の非常に主要な領域を占めるようになってくると思う。いろいろな意味でのキャリア面談やキャリアカウンセリングといった様なものを、人事の外に切り出して、経営企画的な人事がやるのではなくてね。そして、キャリア人事部と経営企画的な人事部の両方がうまく機能してトータルに人事としてしっかりやっていくという時代になっていくと僕は考えていますよ。

※対談インタビュー第2回は準備中です